コーヒー体験記

ルンアルン暁の家(2/3)

2017年11月 チェンライ/タイ

みなさん、こんにちは!けんとです。

今回は「コーヒー体験記」第5弾ということで、ルンアルン暁の家代表の中野穂積さんが運営するコーヒー畑でコーヒーチェリーの収穫体験をさせて頂いたときのエピソードをご紹介します。

今回の調査地域

ルンアルン・プロジェクト代表の中野穂積さんが運営するコーヒー畑は、ウィアンパパオ郡にある暁の家からかなり離れた場所にあります。

暁の家から北に17km(車で60分)、そこから舗装された山道を25km登ったところに山地民の一部族であるアカ族の村落「ドインガーム」村があります。

中野さんのコーヒー畑はこの村の土地の中にあり、この村から舗装されていない山道を5km(車で30分)ほど登ったところにあります。

コーヒー畑は標高1,200m付近にあり、約12ライ(19,200㎡)の土地に約5,000本のコーヒーの木が植えられています。

さらに、バナナやクリ、カキ、そしてアボカドなどの多種多様な換金作物を一緒に育てています。

アカ族のドインガーム村

ドインガーム村は、「美しい山」という意味の村で、山地民の一部族である「アカ」の人々が暮らす村です。標高は1,100mほどで、人口は850人という比較的大規模な村です。

山道を進む

ドインガーム村からコーヒー畑まで行くためには、舗装されていない山道を車で30分ほど登らなければなりません。

乾季のときは、土埃が舞い、雨季になると地面がぐちょぐちょになり、車が進めなくなることもあるそうです。

四輪駆動のパワーで山道を駆け上る!

地面がぬかるんで走破が難しい時は、「ウインチ(winch)」という四輪駆動車に標準装備されている機能を使って、ぬかるみから脱出します。

ウインチとは、「ロープを巻き取るための仕組み」で、重たいものなどを引っ張り上げるために使われます。

まず、重たい自動車を支えられるだけの丈夫な木を探し、それにバンドを取り付けます。次に自動車からワイヤーロープを取り出して、車体前面にある赤いフックと木に取り付けたバンドを接続します。この状態から、ウインチ機能を使ってぬかるみから脱出します。

暁の家のコーヒー畑

コーヒー畑に到着!コーヒー畑というよりかは、もはや森です。とても静かで小鳥のさえずりのみが聞こえる場所です。

コーヒー畑を上から見てみる

コーヒーの木が植えられている場所は、非常に傾斜の激しいところです。傾斜45度くらいはあるんじゃないかなー。写真中央に見える背丈の低い濃い緑色の葉をつけたものがコーヒーの木。背丈が低いと言っても、180cmくらいはあります。

コーヒーチェリーの収穫体験!

私がここへ滞在したときは、11月の下旬ごろでコーヒーチェリーの収穫シーズン真っ只中でした。そこで私は中野さんのご厚意で、コーヒーチェリーを収穫するお手伝いをさせて頂きました!

下から上の順番で収穫していく

コーヒー畑は、とーっても急斜面です。なので、上から順番に収穫していくと足を踏み外したら最後、何十メートルも下まで転げ落ちてしまうでしょう。なので、下から順番にコーヒーチェリーを収穫していきます。

コーヒー畑の下まで降る

コーヒー畑の頂上から下の方へ移動するための通路があります。そこを通って、下までいきます。

コーヒー畑の傾斜角

写真ではなかなか伝わらないですが、すさまじい傾斜です笑 足腰でしっかりと体を支えていないと、転げ落ちてしまいそうなほどです。(ちなみに、このときが人生で一番日焼けしていました。)

真っ赤に熟したコーヒーチェリー

今回の作業は、真っ赤に熟したコーヒーチェリーのみを厳選して、一粒一粒を手作業で丁寧に摘み取る作業になります。

熟したコーヒーチェリー以外にも、未熟な緑色のチェリーや虫に喰われて商品にならないものも混ざっているので、それらを見分けながらの作業になります。

迫力満点のコーヒーチェリー

真っ赤に熟したコーヒーチェリーがコーヒーの木の枝にびっしりくっついているのを見ていると、なんかこの世のものとは思えない感覚を覚えます。すごく生命力があって、迫力満点でした。

中野さんから直々のご指導

中野さんに、どのようなコーヒーチェリーを摘み取ればいいかなどのレクチャーをしてもらい、収穫作業を行いました。

ランチタイム&お昼寝タイム

コーヒーチェリーの収穫作業は、朝の9時ごろからのスタートでした。慣れない作業に苦戦しているとあっという間にランチタイムに。

コーヒー畑の中腹あたりに、簡易的な山小屋があります。そこで、周辺に生えているバナナの葉を切り出し、それをテーブルクロスにしてその上に暁の家の料理長シレーさんが作った絶品の料理が並べられます。

地元で取れたオール・オーガニックの料理たち

ドインガーム村で収穫されたオーガニック野菜や米、近くの村で購入した豚肉などを使って、暁の家のスタッフのシレーさんが料理を作ってくれました。

タイの料理は、辛いものや酸っぱいものなど好き嫌いが出てしまう料理も多いかもしれません。しかし、これらの料理の多くはアカの伝統料理で、なぜか日本人の口に合う味付けなんですよね。

笹の葉で蒸したもち米(カオニャオ)

このもち米、めちゃくちゃ美味しかったです。噛めば噛むほど素材の味がにじみ出てくると言いますか、握りこぶし1個分の量なんですが、けっこうお腹にたまります。

バラエティに富んだメニュー

今までに見たこともない料理のオンパレードで、食事中は興奮状態です笑 

写真左の笹の葉に包まれているものは、豚のひき肉と野菜を混ぜたものを笹の葉で包み蒸し焼きにしたアカの伝統料理です。アカの言葉で「サビェウム」という料理だそうです。塩胡椒が絶妙で、ご飯がすすむ一品です。

写真右上の卵は、ゆで卵です。

写真右下の料理は、「ナンプリック(Nam Phrik)」というタイ北部では一般的な料理で、野菜などにディップして食べるペースト状の料理です。

これはトウガラシをすりつぶし、香草や玉ねぎなどを加え、ナンプラーやレモン汁などを合えたものです。

ナンプラーは、日本でいう醤油のような調味料で、主に魚から作られる「魚醤(ぎょしょう)」です。タイでは一般的な調味料として知られています。

山小屋で一眠り

ご飯を堪能したあとは、眠くなるので寝ます。

寝転がると、横から柔らかい風が通り抜けていき、とても心地よい絶好のお昼寝スポットです!

作業再開!

午前中に覚えたことを思い出しながら、コーヒーチェリーの収穫作業を再開しました。

次第にコツが掴めてくる

どうやら、完熟した摘みごろのコーヒーチェリーは、摘まんで少しひねるだけで簡単に収穫することができます。これに対して、少し未熟な赤い実や完全に未熟な緑色の実は、摘まんでひねっても「抵抗感」があります。

中野さんやスタッフのみなさんの見よう見まねですが、少しずつ感覚を掴み始めました。

収穫したコーヒーチェリーを袋へ詰める

各自で収穫したコーヒーチェリーは、このような袋に集めます。

ちなみに、この袋はコーヒーを入れるための麻袋ではなく、ここのコーヒー畑で使用している有機肥料の袋を使っていました。この有機肥料は日本人の方が経営されている有機肥料会社のもので、袋に印字されている「サクラ」は日本を表し、「コウモリ」はコウモリのふんを混ぜた肥料を使っているという意味だそうです。

一般的に、有機肥料は家畜のふん、稲ワラ、草などを混ぜて作られるのですが、この肥料には貴重なコウモリのふんを混ぜているとのことです。

袋にコーヒーチェリーを詰めた後、その日のうちにウィアンパパオ郡にある暁の家に戻り、収穫したコーヒーチェリーの精選(せいせん、cleaning)を行います。

コーヒーチェリーの精選作業

コーヒーチェリーの精選については、「コーヒー体験記」第3弾で簡単にご紹介しました。

暁の家では、収穫したコーヒーチェリーはその日のうちに精選します。それらは主に「水洗いタイプ(水洗式、フルウォッシュ)」で行なっています。

精選その1:チェリーの皮と種子を分離させる

種子を取り除かれた皮

皮を取り除かれた種子

皮を取り除かれた種子には、ヌメヌメした層(ミューシレージ、mucilage)が付着しているので、水を張ったプールの中で発酵させることによってそれを取り除きます。

精選その2:プールの中で二晩寝かせる

タイ北部では一般的に、皮を剥いだコーヒー豆を二晩水に浸けてヌメりを取り除きます。

二晩水にしっかり浸けて、発酵させることによって、初めてヌメヌメした層を綺麗に洗い流せるそうです。

ちなみに、水面に浮いてしまっている種子は、欠点豆(defect bean)として廃棄されます。これは、虫食いなどにあってしまった豆たちです。中が空洞になっていたりすると、自然に水面に上がってきます。

精選その3:天日干しして十分に乾燥させる

しっかりとヌメりをとった種子は、天日で十分に乾燥させます。

終わりに

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

今回は、ルンアルン暁の家代表の中野穂積さんが運営するコーヒー畑でコーヒーチェリーの収穫体験をさせて頂いたときのエピソードをご紹介させていただきました。

急斜面に張り付くような形でコーヒーチェリーを収穫していく行程は、想像以上に大変でした。これをシーズン中になんども繰り返すそうなので、中野さんをはじめ山地民の人たちはタフだなーと思いました。

中野さんを中心として、周辺の村々ではコーヒーを中心とした換金作物をオーガニック(無農薬)で栽培することにチャレンジしています。この取り組みは、この地域の人々が持続的に発展していくために実践されている手段の一つとなっています。

次回の「コーヒー体験記」第6弾では、「なぜ中野さんは山間地に住む山地民の人々が持続的に発展していくためにコーヒーを中心とした換金作物をオーガニックで栽培することに強い期待を込めているのか」について詳しく書いていきたいと思います。

それでは、今回はこの辺で失礼します!今後ともよろしくお願いします。

コーヒー畑からの景色

ABOUT ME
けんと
けんと
初めまして、けんとです! 都内の大学に通っている大学4年生です。 趣味はサイクリングとコーヒーを飲むことです。 このブログでは、私がタイへ留学していた時に経験したエピソードを中心に連載していきたいと思います。 どうぞよろしくお願いします!